えろげだいありぃ

浅めの感想置き場

すみれ 感想

総評   :84/100

CG     :12/15 【一枚絵が要所できちんと入るので没入感を得られやすかった】

シナリオ :13/15 【あかりルートがお気に入り】

声優   :8/10 【まきいづみさんのお姉さんボイスすき】

曲    :20/20 【眠りについて独りきり…】

システム :6/10 【ふつう。セーブデータにサムネ表示があるのは助かる】

なんとなく:25/30 【伏線を収束させたうえで4人の成長を描ききっていたのはとても良かった。】

 

 ねこねこ作品をプレイしたのはルリのかさねに続いて2本目です。ねこねこ15周年記念作品ということで過去作のファンディスク的要素も入ってるみたいですが、そちらは未プレイ。

 ストーリー前半はすみれちゃんのぼっちっぷりに心をグサグサされながら進めました。高校の友達は小説とウォークマンだけだった僕には、すみれちゃんと健ちゃんの描写はクリティカルヒットすぎる。 

 日々の何気ない生活の中にも変化のきっかけは埋まっているし、いつかそれが芽吹くことも、それに気づくこともできると思わせてくれるような、そんな良いストーリーでした。少しずつ縮まっていく不器用な登場人物たちの関係が心地よかったです。

 

 

【すみれ√】

  関係が煩わしくなって逃げてしまうところも、無理に張り切って空回りしてしまうところも、まるで過去の自分を見ているようでした。そんな苦い思い出を想起させるストーリーでしたが、最後に吹っ切れる展開には爽快感がありました。

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教室でキレるシーンはすごくハラハラしましたが丸く収まってよかった。ある程度本心を晒さなければ親しい友人はできないのだと思います。 

なんだかんだ素直かつポンコツヒロインなすみれちゃんにはとても癒やされました。

 

【雛姫√】

 特殊な過去と家庭環境から人と関わることを避けるようになってしまった雛姫に対して、徹底的に寄り添うことで彼女を救った健ちゃんが格好良かったです。喪失の痛みが耐え難いものならば一人はなく二人で分け合おう、という回答は使い古された答えではあるものの、「いつかどこかで見たヒーロー像」がするであろう答えという意味ではしっくりくるものでもありました。

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ここの表現とてもいい…

【メイ√】

 序盤のSFめいた展開からして一気に引き込まれました。すみれルートと雛姫ルートにおける伏線を回収していく様は見事の一言。

 瞼の裏の世界に引きこもるあかりを救い出すために、「健ちゃん」になった主人公が格好良く、最後のシーンには熱くなりました。

 長い遠回りの果てにこの物語で伝えたかったこというのは、外の世界へ一歩踏み出す勇気なのだと思います。

 ネットで出会った四人が最後にリアルで会ってプリクラを撮るというのも、4人の内面も関係性も変わったことが表れていて良い表現でした。

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 挿入歌も良曲ばかりで、特に「ねこ王国の姫」と「Sleeping Pretend」は何度も流れるますが、その度に聞き入ってしまいました。

 自分の駄目なところを改めて認識させられてなんだか鬱屈とした気持ちになる部分もありましたが、最後には少し前向きに明日を過ごしてみようと思える作品だったと思います。