えろげだいありぃ

浅めの感想置き場

ねこねこソフトの旅 前編

 今年の夏こそラムネをやるぞ!ついでにねこねこ作品を(できるだけ)コンプもするぞ! ということで、ねこねこ作品をだいたい発売年順にプレイしました。

 

①White ~セツナサのカケラ~

 

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 一時期やたらと高値だったらしい本作。近所のエロゲ屋さんの片隅に500円で捨て置かれていたのでいっちょやってみっかと購入。そこそこ古いゲームなので起動しないと思い込み、わざわざ2000のVM環境まで用意しましたがあっさりwin10で動きました。

 

 ポンコツ幼馴染とやたらにカオスなおまけ集などなど、ねこねこらしさは感じる内容。ここから今に続くねこねこの作風が始まったんだなあと少し感慨深い気持ちにはなれますが、逆に言えば特筆するような感想はそれだけしか残らず。やったのは3ヶ月前くらいなのですが、この記事を書いている段階で既に内容がうろ憶えです。ファンブックを見ながら、そういえばこんなストーリーだったなあとキーボードを叩いています。

 

 正直あまり面白い作品ではなかったのですが、主人公がひたすら理不尽に幼馴染をいじめるのは一周回って笑えました。この健ちゃんだけ他のねこ作品より幼馴染への当たり強くないですか?

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関西弁の先輩ヒロイン。かわいい。まどか先輩ルートはまあまあ良かった

 

②銀色

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 ねこねこソフトといえば銀色! の印象もあり、そこそこ楽しみにしていた本作。起動するなり英語で話しかけられてビビります。

 一篇2,3時間の五部構成ということもあって、テンポよく読み進められましたし、絶妙に絡み合う各章のお話それぞれに良さがありました。

 基本的に各章のストーリーは悲劇的な結末で幕を閉じます。しかし銀糸に翻弄される登場人物たちが、ときに逆風に抗い、ときに諦観と覚悟を持って、それでも必死に生きる意味を見出していく姿には物語に引き込む引力がありました。(三章を除く)

 そういった意味で一番楽しめたのは二章でした。

 

 

③みずいろ

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 幼少期の選択がそのまま個別に直結するのは良かったです。だるい個別をルート分岐を回収するために何周もするのは手間だし、システムのいまいちな昔のゲームならなおさらなので。

 目玉ヒロインはひよりんなのでしょうけれど、個人的には雪希ルートの方が好きです。というか日和ルートは、幽霊になってクローゼットから出てきた段階でお話に入り込めず、はえ~~となっていたらよく分からんうちに終わっていました。

 パッケージに「普通」の学園モノと書いてあったので、それを期待していたのですが、ヒロインが幽体離脱して夜な夜な会いに来るのは普通の学園モノなのでしょうか。というか日和ルートに限ってはストーリーがほとんど家で完結してるし学園関係ないじゃん。

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 でもひよりん自体は好きです。にゃうーん。

 

 

④朱

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 刺さりました。すごく面白かった。BGMも良いし演出も良いしお話も良い。

 ストーリーを要約すると、ひたすらに砂漠を歩くだけです。そこそこ異色な作品だと思います。そして実質的な銀色の続編です。

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いつもの

 

 退屈で淡白な旅の繰り返し。しかしその中で、姿は見えずとも変化は確実に訪れていて、その積み重なった変化に気づいたとき、或いは気づかぬ内に通り過ぎていた致命的な転機を振り返るときにどのように選択するのか。そんないつものねこねこが描こうとしていたものが「朱」には確かにありました。

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 この作品の良いところはたくさんあったのですが、特筆したいのがラストシーン。砂漠を旅する眷属たちの、その全ての旅の終着点。そして、全ての旅の始まった場所であり、アラミスとカダンの終わりと始まりでもあるシーン。

 まさしく朱で描かれた長い長い旅のカタルシスが一気に開放される場面であり、震えます。

 公園の砂場で考察したくなるゲームでした。