ルリのかさね 感想
総評 :89/100
CG :10/15 【枚数は少ないけれど、要所で挟み方がうまい。】
シナリオ :13/15 【ルリ√1】
声優 :10/10 【ルリがかわいい】
曲 :20/20 【るりいろ】
システム :6/10 【欲を言えばタイトル画面からクイックロードさせてほしかった】
なんとなく:30/30 【ルリ√1の終盤に泣かされる】
あらすじは割愛
舞台設定が神社・地方都市とくれば大概のゲームで中心になったり、物語のきっかけになる要素は神様が降ってくるとか妖怪が出るとかの超常的なものが多いように思います。しかしルリのかさねでは、あくまでルリと主人公、おじと姪の間が中心となって物語が進んでいきます。外からの要素に頼らない閉じた世界の中で、ここまで退屈させない人間ドラマを作れるのは、他のメーカー作品では見られないねこねこの良さなのかと思います。
どのルートでも見せたいものとその結果がはっきりしていたのが印象的でした。個人的なお気に入りとしてはいいちこ√。僕の大好きな曲に、「あの地平線の向こうに俺達の未来がある気がする そしてそこまでたどり着いたらまた夢の続きを話せばいい」という歌詞があるのですが、このルートにぴったりだなあとプレイしてるときに思いました。なりたいものがないというのは多くの人が悩んだ結果、結局なんとなく折り合いをつけるものだと思うし僕自身もそうなので、いいちこ√の夢を買うという潔い決着は羨ましく感じました。
このゲームの目玉はなんといってもルリ√でしょう。3はオマケさんなので省くとしても、1と2は素晴らしかった。
変わらない毎日の中で、永遠に変わらない日常が続くように見えてもそれは少しづつ変わるものだし、無数の選択肢が潜んでいる。一般にバタフライエフェクトとか呼ばれる物語は、分岐していく様子がメインになることが多数なので、分岐する前の日常と分岐した後の結果を見せてくるルリのかさねはそういった意味では新鮮でした。ルリ√1のラストは、ああ泣かせに来たなと思いましたが、まんまと泣きました。くやしい。
気づかないうちに選択していた結果は時に残酷かもしれないけれど日常で積み重ねてきたものは、確かに自分の中にも重なっていると思えました。ルリ√1でも2でも形は違えど最期はきっと幸せな兄妹だったと思います。
タイトル画面に戻ってもBGMが継続する演出は、余韻に浸れるのでとても良かったです。ぜひほかのメーカーさんも真似してほしい。
演出、シナリオがよかった分システムがイマイチなことと、差分指定のミスや誤字が多かったのが余計に残念です。デバッグに時間をかければよくなる部分だと思うので・・・
夢中でプレイしたせいでぜんぜんスクショがありませんでした。ので最後にかわいいルリちゃんを貼っときます。
次にねこねこ系列でやるとしたら、スカーレットとレコンキスタが積んであるんでどっちかかなあ。