えろげだいありぃ

浅めの感想置き場

アトラク=ナクア 雑感

 先日、「和香様の座する世界」の体験版が出た際に、主題歌の作曲shadeさんじゃん!しかも黒髪ロングで黒セーラーといえば初音姉様でしょ!と思い立ったのでアトラクを3年ぶりくらいにやり直しました。ので雑感を少し書きたいと思います。

 

 あらすじ

 主人公の比良坂初音は悠久の時を生きてきた女郎蜘蛛の妖。宿敵である銀との戦いで傷付いた体を癒すためとある学園に巣を張る。気まぐれで不良に輪姦されていた少女、深山奏子を助けたところから物語が始まります。

 

 1997年のアリスの館456に収録されていた作品ですが、単品で廉価版が出ているので3000円くらいで簡単に手に入ります。cd音源なのでディスクレス起動するとbgmが鳴らないため、inmmなんかでゴニョゴニョすると上手く動くと思います。

 

 このゲームの良いところは種々挙げられますが、特筆すべきは独特の雰囲気ではないでしょうか。あまり普段では雰囲気ゲーという言い方はしないのですが、この作品に関してはまさに雰囲気ゲーの極みだと声を大にして言いたい。それくらい、この作品の音楽とテキストが作り上げる世界観、空気感は素晴らしいと思います。

 状況描写や心理描写がメインで描かれるからこそ、要所で登場人物の台詞が印象に残ります。「身の程を知るのね、豚」だったり「私はね、それほど慈悲深くはないのよ」で初音姉様に惚れた人は多いのではないでしょうか。

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 また20年前のゲームですが音楽が素晴らしい。和風なようでどこか違う、寂しげな音楽がゲームにぴったり合っていて引き込まれます。特に6章、終章のthrowing into the banquetからatrach=nachaアレンジ3回の流れは最高に痺れます。atrach=nacha  ~going onを聞いてみて気に入った方は是非アリスボーカルコレクションのアレンジ版もどうぞ。当時からのshade氏の鬼才ぶりを存分に感じられます。

 

 20年前に百合、人外といった要素を取り入れた先見性もさることながら、独特の雰囲気に今でも十分に読めるだけの魅力がある作品です。プレイ時間は通しで6~8時間くらい。エンドも2つだけなので全テキ、CG回収含めても12,3時間ほどあれば終わります。ビジュアルやシステムは流石に古臭いですが、それを差し引いてもきっと満足できる一作だと思います。